人生の道草




人生の道草(別荘)

 

変更履歴

 

2020年 4月10日 全面リニューアル

時期ははっきり覚えていませんが、1966年(昭和41年)頃、別荘を所有するのが、ひとつのステータスになっていた時代がありました。

友達と話をする時の、話題の一つに、家で別荘を持っているか、持っている場合は、どこに別荘があるか。 とくに軽井沢に別荘を持って人は他の友達から大変羨ましがられました。

その別荘についての、私の考え方を紹介します。
(但し、私は別荘を持ったことはありませんので、一部推測の部分もありますので、ご了承ください。)
 

別荘の所有について


 昔、一生懸命働いて、まずは家族が住む家を購入し、できれば別荘を持って、時々 自然の中の別荘でゆっくりして気分転換をするというのが夢であった時代がありました。

別荘を週末や、夏休みに家族で利用したり、また、友達を自分の別荘に呼んだり、逆に呼ばれたりして楽しむ時代がありました。

もちろん、今でも別荘を所有している人や、将来別荘を持ちたいと言うひとはいますが、別荘に関する世の中の関心は昔に比べて減少したと思います。

別荘に関する関心が薄れた理由は幾つかありますが、主な理由は次の点ではないでしょうか。

 (1)別荘を購入する費用

   バブルははじけて、別荘を購入する経済的余裕がなくなった。

 (2)別荘の維持費用

   別荘の維持に、予想以上に費用が掛かる。

 (3)別荘の利用時の家事

   別荘は、時々しか使用しないと、使用時の室内の掃除、炊事、風呂掃除、引き上げる際のゴミ処理等、家事が大変であ   り、主婦からは敬遠される。

別荘所有時の負担


 前項で、別荘所有に関する費用等を簡単に紹介しましたが、この中で一番の問題は、(3)項の「別荘利用時の家事」であります。

二番目の問題は、(2)項の「別荘の維持費用」であり、(1)項の購入時の費用は、都会の住居の購入費用に比べれば、4分の1程度であり、他の項目に比べれば、大きな問題ではありません。

これらの問題点について、もう少し詳細に見て行きましょう。

(1)別荘利用時の家事

  別荘は、旅館とは違って、様々な家事全てを自分達で行う必要があります。

 ・別荘に入るときの掃除

  時々しか別荘を使用しない状況では、屋内をどんなに密封していても埃が積もってきます。

  従って、別荘使用時に、まず室内の清掃、風呂場の清掃が必要になります。

 ・寝具の乾燥

  ベッドの蒲団等は、使用していない間にどうしても湿気を含んでしまいます。 従って、室内の掃除と同時に、蒲団等を  干して乾燥させます。

 ・炊事

 別荘に滞在中の食事の準備も大変です。

 別荘の近くにコンビニや食堂がない場所が多く、外食するにも遠くまで出かける必要があります。 また自炊する場合も、 別荘に冷蔵庫があっても、中は殆どカラッポの状態ですので、別荘に行くときに事前に食材から、場合によっては調味料  も準備する必要があります。

 ・ゴミ出し

 自炊すれば炊事時のゴミ、後片付けのゴミ等、生活すればそれなりにゴミがでます。それらのゴミを別荘から引き上げる時に、持って帰るなり、または、別荘地のルールに従って、ゴミ出しをする必要があります。

 ・衣類の準備

 別荘には、衣類はあまり置いていない場合が多いので、別荘にいく場合は、十分用意して持っていきます。

 少し、長期に滞在する場合は、当然 洗濯が必要になります。


 こういった家事は、自宅で生活していた時と同等に別荘でも行う必要があります。

 これらの家事は、主婦が主に担当する場合が多いので、主婦にとっては、別荘に行くと気分転換よりも、かえって疲れることになります。

 (2)別荘の維持

 ・建物の維持

 自宅でもそうですが、別荘でも人が住んでいないと、建物が傷んできます。時々、建物に空気を通さないと、カビが生えてきます。

 また、庭があれば、雑草の手入れ、樹木の手入れも必要です。

 ・設備の維持

 別荘の電気器具、風呂等のガス設備等も、時々使っていないと、たまにに使用しようとすると、故障していたりして、設備が正常に動作しない場合も多いです。

 ・防犯

 別荘地は、時々しか人が来ないことが多く、各別荘は無人の時が多いです。その為、不審者が、別荘を壊したりしても、発見が遅れます。


別荘での楽しみ


 別荘での楽しみは幾つかあると思いますが、代表的な楽しみを並べてみました。

 (1)自然の中での生活

  ・バーベキュー等

  多くの別荘は、高原等の自然の中にあり、又、隣との間隔もある程度離れており、また、隣の別荘には、人が来ていない場合が多いです。

 その為、別荘の庭でバーベキュー等をやったりして賑やかに楽しむことができます。

 ・スキー、水泳等の楽しみ

 別荘が、スキー場に近い場合は、別荘に長期滞在し、スキー、スノーボード等のウィンタースポーツを思う存分楽しむことが出来ます。

 又、別荘が海に近い場合は、海水浴、ヨット、ウインドサーフィン等のマリンレジャーを思う存分楽しむ事ができます。

 (2)贅沢な時間

 スポーツ等をしなくても、別荘内で ただボーとしているその時間が非常に贅沢な時間と感じることができます。

 自分の別荘で、都会の喧騒から離れて、自然を眺めていることが、非常に貴重で、優雅は時間であり、心身ともにリフレッシュできます。
 スポーツ等を目的に別荘に長期滞在しても、旅館等に比べて宿泊費用を押させることができます。

 
 

別荘を所有するか否か


 以上に述べた様に、別荘を所有することは、楽しみもあると同時に、色々な負担もあります。

その様な別荘を所有するかについて、私は次の様に考えます。

 (1)別荘所有

  毎週末や、夏休み等をに長期滞在するほど気に入った場所であれば、別荘を持つ意味はあると思います。

  別荘を使用する際は、色々家事等で大変なこともありますが、それも別荘を持つ楽しみの一つと思います。

 別荘で、自然の中を自由に動き回ったり、親しい友人等を呼んで楽しい時間を共有できることは、お金には変え難いものだと思います。

 (2)別荘を所有しない。

  別荘の使用頻度が、月1回程度であれば、別荘を自分で所有することもないかと思います。

  別荘を持っているがために、週末等に別荘を使用しなければと思うようになると、逆効果になってしまいます。

  別荘を持つより、ホテルや旅館を利用して、近くへ旅行することで、別荘を所有しなくても、十分自然を楽しめますし、  気分のリフレッシュができます。旅館等は宿泊費が掛かりますが、掃除も炊事も、風呂の準備、寝具の準備も全て旅館が  行ってくれます。
  こちらは、身の回りの着替え等だけ持って行けばすみます。

 確かに、旅館等は、チェックイン/チェックアウトの時間制限があります。また犬等のペットを連れては行けません。
(最近、ペット可の旅館も段々増えてきてはいます。)
 バーベキュー等で子供達と一緒に自由に遊ぶこともできません。

 その様な制限はあり多少費用は掛かりますが、自分の好きな時期に、あちこちの好きな場所、初めての場所に旅館を利用し て旅行することは、とても楽しいことです。

 気に入った特定の場所がある場合は、その場所のペンション等を定宿として、楽しむこともできます。

 さらに、一つの別荘を個人で所有するのではなく、全国のリゾート地の宿泊施設をもつリゾートクラブの会員になるのも、 一つの方法です。
以上の内容を簡単に比較して表形式でまとめます。 
 比較項目  別荘所有  リゾートクラブ  旅館等利用
 初期費用(
購入費用等)
 数千万円の費用必要  入会金が必要  不要
 別荘等の維持  ある程度の管理費が必要  年会費等が必要  不要
 利用料金  食費等の実費のみ  低料金
(旅館の1/2~1/3程度)
 安くても1泊2日で1万円程度(2食付)

人気の時期(正月、5月の連休等)は料金が高くなる。
使用時の家事等  掃除から、寝具等の準備、風呂の準備等必要  クラブによるが、通常は不要  不要
 食事  自炊するか、外食  クラブによるが、
自炊、宿泊施設のレストランでの食事、又は外食
 通常は2食付
 使用の自由度  使用時期、使用時間は自由である。

ペットも自由である。
 利用時間帯等、ある程度、制限がある。

人気の時期等は、利用場所により、先着順、抽選等の制限がある。

ペット可か否かは、クラブによる。
 利用時間帯等が制限される。

人気の時期党派、満員で希望の宿を利用できない場合もある。

ペット可の宿は、まだ少ない。
 使用時の気分
(各人によりますが。)
 所有の満足感がある。  クラブ会員であることの満足感  宿によって、満足したり、やや不満だったりと、その時の状況による。
状況変化への対応(売却等)  子供が独立し、使用頻度が低下したり、高齢になって売却する場合、都会の通常の家より別荘は、売却が難しい。

別荘の場所の変更も、売買が伴い簡単ではない。
 クラブの保有宿泊施設の範囲内で自由に選択できる。

退会も自由であるが、入会金の返却金額はクラブの規定による。
 自分の家族構成、年齢等の変化に対応して、宿を選択できる自由度がある。
 その他  場所が固定される。 クラブの保有する宿泊施設から自由に選択




 クラブが倒産する可能性がある。
 季節(春の桜、夏の海、高原、秋の紅葉、冬のスキー)や、テーマ(温泉、海の幸等)によって、自由に場所を選択できる。
 

私の考え方

上記の表に示したように、別荘を所有するか、否かは、何に重点を置くかによって異なりますが、私は、別荘を所有するより、季節、家族の状況等に合わせて、旅館等を利用した方が、トータル的にはメリットが大きいと思います。

 別荘は、使用頻度にかかわらず維持が必要ですし、別荘を使用する場合は、始めに別荘室内の清掃、食事の準備、風呂の準備と使用後の風呂掃除、引き上げる時も、ゴミ等の後始末が必要になります。

それに対して、ホテルや旅館を利用した方が、多少宿泊料金が掛かりますが、ずっとメリットがあると思います。
ホテル等であれば、常に室内の清掃、寝具の準備がされていますし、食事付であれば、ホテル等に夕方に到着しても、直ぐに食事ができます。風呂も常に清掃されていて気持ちよく入浴できます。

また、季節や、家族構成等によって、海に近いホテル、高原のホテル、温泉宿、スキー場に近い宿等と、状況の変化に合わせて自由に選択できます。

従って、「別荘」を所有するよりも、「ホテル、旅館」を利用した方がいいと思っています。

その他(セカンドハウスの勧め)


 別荘とは異なりますが、都会に住んでいても、できれば、自宅の他に、もう一つの家(セカンドハウス)を持つことをお勧めします。

若い時代は、自分達の結婚、子育て、教育、マイホームの取得等で精一杯で、普通のサラリーマンには、セカンドハウスなど考えられませんが、自分達が中高年になり、2、3人いた子供達も、皆独立して家を出て行くと、それまで、例えば、一戸建てに住んでいて、多少庭もあり、子供部屋もあった家が、少し広すぎるようになります。

そのような段階になった時に、今まで住んでいた家を売却等して、自分達夫婦二人が生活するのに必要な最低限の広さのマンション等に移り、残った売却金を元に、新たな自宅の近く(1時間程度の距離内)にセカンドハウスをローンを組んで購入します。

 セカンドハウスのメリットは、いくつかありますが、まず自宅が二つあると、何となく心に余裕ができます。

 また、震災等で、一つの家が被害を受けても、セカンドハウスで生活できる可能性があり、安心感が生まれます。
 退職後夫婦二人で毎日顔を突き合わせているとお互いに気疲れすることがありますが、その場合は日中は1人がセカンドハウ スで気兼ねなく趣味に時間を費やすこともできます。
 もし、セカンドハウスを使用する予定がない場合は、賃貸に出して収入を得ることができます。

 そして、自分の人生最後の段階のメリットとし、相続があります。

 自分が亡くなった時、普通 一番の資産は不動産ですが、例えば二人の子供で相続する場合、1件の不動産(土地付き一軒家等)では、分けるのが非常に困難です。

その点、セカンドハウスがあれば、少なくとも二人の子供に 基本的に平等に相続できます。

ただ、セカンドハウス購入時に、ローンを組めるか、所有者の名義を夫にするか、妻にするか等、十分検討する必要があります。

中高年になってからローンを組むのは大変ですが、心の余裕、相続時のメリット等を考えてセカンドハウスを持つことをお勧めします。




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